Vue Fes Japan2023 参加メモ

タイトルの通り、Vue Fes Japan2023に参加しました。 当日は特にメモを取っていなかったので、思い出した限りの雑なメモ。

Vue Fes Japan 2023
vuefes.jp

キーノート

Vue.jsの作者である Evan Youによる講演。Vue2からVue3にした際の反省点としてファーストインプレッションや後方互換性の重要性などが語られていました。その他にもViteの話やVite内部のバンドルツールとしてのRolldownの開発の話など、てんこ盛りの内容でした。

Rolldownの発表(ViteConf 2023)

docs.google.com

走りながらエンジンを交換する 〜 大規模プロダクトを成長させつつVue 3にするには 〜

Vue2.6からVue2.7を経てVue3への移行を進めている話。これを見てVue2がEOLを迎えることを思い出しました(すっかり忘れていた)。自分の関わるプロダクトにもVue2.6のアプリケーションがあるので、

  • 上げることのメリット
  • 上げるために必要なコスト

を考えながら聞いていました。 幸いにも自分は2.6、2.7、3のすべて経験があるので何をすればいいのかはなんとなく想像がつくものの、いかんせん腰が重いのと、やはりビジネス面も踏まえてROIの出ることに時間を割きたい、何より楽しいことをやりたいのであれこれ考えていました。良いきっかけになった。

speakerdeck.com

社内UIコンポーネントライブラリがエンジニアチームにもたらした本当の価値

Belugaのプロダクトごとに使われている色(rgb)が全部違うのは笑った。というか開発してて気にならなかったのだろうか・・? ビジネスの状況に応じてバックエンドとフロントエンドの需要が変わるのは、自分も経験してきたことで(ビジネスドメインにも依ると思いますが)、人材調達・育成って難しいよなぁと思いながら聞いていました。そういうのに悩まされたくないが故に自身はフルスタックでありたいとか思っているのかもしれないです。

資料はアンケート特典とのこと。 que-vuefes-uniquevision-liff.belugacpn.jp

価値を生む技術提案~フロントコードのリライト事例から学んだ提案の重要性~

この人本当にエンジニアか?って思うくらい話がうまかった。さすがコンサルというかリンモチというか、面白いなぁと思いながら聞いていました。
投資対効果で言う「効果」をそのプロジェクトにおける事業利益だけで考えられないよな、とも思うし、そのあたりはみんな悩むんですね。。本質的に必要なのがTypeScriptの導入だけだったとして、GraphQLやReactに挑戦する経験がなければ、次に必要なのがGraphQLだったときの意思決定が鈍る。結局は本番運用してみて初めて本当に選択肢としての妥当性を評価できるようになる・・とかあるからこそ、開発目線でROIを考えるのは難しく、でもそれを考え続けることは絶対に大事なことで、最終的にはモチベーションと力技でなんとかすることが多いように思ったり。笑

speakerdeck.com

Vue.js プロジェクト設計のベストプラクティスを求めて

個人的には一番面白かった。40TBのテキストデータすごいとか、CEOが出てくるの力入ってんなとか。はじめにコンポーネント設計書やシーケンス図が出てきたときは「ウッ...」ってなったけれど、事業フェーズの変化によって「書く速さ」と「読む速さ」のウェイトが変わってくること、特に「読むことにコストがかかるコードはじわじわとプロダクトとチームの首を絞める」は首がもげるほど頷いた。 Vue.jsを使う理由やChromiumのアップデートを追っている理由も事業に対して合理的で、やっていることがカッコいいな・・と思いました。

speakerdeck.com

A New Nuxt

Nuxt開発者のDaniel Roeさんによる講演。Nuxtは使ったことが殆どないので、正直内容はよくわからなかった。けれど「プログラミングは魔法だ。頭の中にあるものを現実にすることができる。」(←うろ覚え)と最後の方に言っていたことがすごく印象的でした。
印象的だった理由は、まさに最近似たようなことを考えていたから。業務で開発をしていると、保守性・要件・デザインの正確な反映・テスタビリティ等々、「ちゃんと作る」ことにもかなり意識を割く必要があります。そんな中で、ふと個人開発ですら気が重くなる瞬間がありました。たかが個人開発なのに、長期運用する気なんてサラサラ無いのにクリーンアーキテクチャで作ろうとしてしまったり、linterの整備をしようとしたり、それらを半ば義務感に駆られてやろうとして気が重くなっていました。

一方でよくよく思い出すと、自分が開発を始めたのは「なにか面白いものを作りたい、自分が作りたいと思ったものを作れるようになりたい」と考えたことがきっかけでした。極端な話、作りたいものが作れていればコードなんてぐちゃぐちゃでも良くて、多少バグがあったところでどうせ(個人開発は)他の誰も使わないんだから、テストもいらないし、アーキテクチャをきれいに整備する必要なんて無いんだよなと。
だからもっと素直に「作りたいものを具現化する」ことに労力を割こう、と最近思っていたのが、Daniel Roeさんの言葉と重なりました。これほどの人でも、こういう気持ちを忘れずに開発しているのは素敵だなと思いました。

Anthony's Roads to Open Source - The Set Theory

Vue・Vite・Nuxtの開発者のAnthony Fuさんの講演。 GithubのIssueなどによく出てくるのはもちろん、自分は特にこのリポジトリにお世話になっているので笑、一度話を聞いてみたかった。OSS開発者としての歩みを聞けて面白かったです。 github.com

他にも聞いたのはありますがこの辺で終わり。参加してVue.jsが前よりも好きになりました。