医療ITの企業でエンジニアをやっているにも関わらず、所属する医療や医薬品業界のことをよくわかっていないと思い、いくつかの本を読んだり、Podcastを聞いたりしていたのでメモ。…と言っても実は読んでいたのは2ヶ月前でもうかなり忘れているので本当にメモ程度*1。
書籍
図解即戦力 医薬品業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書
https://www.amazon.co.jp/dp/B0967CWXQX
学ぶ際に最初に手に取った本。医薬品業界の全体像を知るのに最適な本でした。
製薬業界の新薬開発プロセスや特許の話が具体的な例や数字を交えて説明されているので、ためになりました。新薬が新薬として承認される確率が2万分の1であること、一つの薬の開発に莫大な費用がかかること、一方で一発当てると大きな利益になること、創薬ターゲットは時代とともに変わり、徐々に難しくなっていること等々。
処方する立場においては、コンビニよりも多い薬局の戦略と薬剤師の役割なども知ることができました。薬剤師の仕事は今後代替できるのか？という実証実験の話も興味深かったです。
認知症治療薬の開発がなぜ難しいのか、という話は確かに考えればわかることですが、考えたこともなかったな、、とか（ちょうど今はレカネマブの投与が始まって、効果も期待されているところですね）。
academistという学術系クラウドファンディングがあることや、CureAppというアプリもこの書籍で知りました。
医療4.0 実践編
https://www.amazon.co.jp/dp/B0B4N8MVPG
オンライン診療だけで30ページ以上を割いていることをきっかけに手に取った本。
この本は、他の本よりもビジネスやテクノロジーの視点で書かれているので、IT企業で働いている自分としては親近感を持って読むことができました。
患者目線の医療改革
https://www.amazon.co.jp/dp/B07Y229JV4
この本は正直あまり読まなかったのですが、最初の30ページほどだけでも読んで良かったなと思いました。
医療に対する立場は、その人がどんな人生を歩んできたかによって変わること、それを知ることが第一歩であることを学びました。僕はこれまであまり病院にお世話になることがなかったため、日本の医療に対して良し悪しを判断することができなかったのですが、そういった自分をメタ認知することができました。
著者の個人的な想いが結構詰まっているので、その切り分けは意識する必要があるかも。
Moonshot ファイザー 不可能を可能にする9か月間の闘いの内幕
https://www.amazon.co.jp/dp/4334962564
読み物として、ここで挙げた本の中で一番面白かったです。コロナが世界的に流行し、ワクチンが開発されたことは誰もが知っていることですが、その裏側でどんな意思決定が積み重ねられていたのか、そのプロセスを知ることができました。コロナワクチンの開発とその供給は、真の意味で世界を救った成果であり、その開発プロセスはエキサイティングでした。
またアメリカに置いて製薬企業の印象が非常に悪いことは意外でした。
あまりに面白いので、モデルナ目線で書かれたモデルナ:万年赤字企業が、世界を変えるまでや、あらためてmRNAワクチンについて学ぶためにｍＲＮＡワクチンの衝撃 コロナ制圧と医療の未来も読みたくなったけれど、こちらは読めていない。。
医薬品業界で働く
https://www.amazon.co.jp/dp/4831515213
業界のことを知るときに、全体像を知識として掴むことももちろん大切ですが、そこで実際に働く人の話を聞くことも大切だと思い、読んでみました。結局この本も編集されているので生の声とは遠いとは思いますが、教科書的な知識とはまた違った視点を得ることができました。
<イラスト図解>病院の仕組み
https://www.amazon.co.jp/dp/4534038763
病院経営に触れていることに興味を抱き読みました。
初版が2005年と古いので、一部の記載はどうしても古さを感じることがありましたが、しっかり内容を更新されているので参考になりました。
病床数による違いや、病院の収益構造、そして8割もの病院が赤字経営であることなど、経営の側面で病院を知ることができました。
実はこの本に期待していた内容に「なぜ医者の給料は高いのか？」という疑問があったのですが、それに関しては答えが得られませんでした。ネットで調べてもどうもピンとくる回答が得られない。
Podcast
Deep Health insight/ディープヘルスインサイト
https://open.spotify.com/show/4nn2IRnjhoJajBKrtJWz50
しばらく通勤中に聞いていました。
ヘルステックや各製薬企業の動向が楽しそうに語られています。特にモデルナが日本スタートアップの買収をした話などは、業界では有名すぎる話なのかもしれませんが、話している人の熱量もよく伝わってきました。少し声が小さいののがあれですが（自分は常に音量MAXで聞いています）。
おまけ
フラジャイル
フラジャイル（１） (アフタヌーンコミックス) | 恵三朗, 草水敏 | 青年マンガ | Kindleストア | Amazon
漫画。好きすぎて10回以上は読み返しています。読むたびに、主人公たちの真摯な仕事ぶりに心を動かされます。一読目はそんなだったかな、と思っていた内容が少し時間を置いてぶっ刺さったりします。自分も真摯な仕事をし続けていきたい。
*1:まぁ「雑に書く」ってブログ名なので
