Vue Fes Japan 2024 メモ

去年に引き続き今年も参加してきました。
今年も前回と同様に、思い出す限りのメモ。

Vue Fes Japan 2024

一言で感想

「Rustやっていき」

...割とこれに尽きる内容だった印象があります。僕の聞いた内容が偏っているかもしれませんが。。。

セッションメモ

keynote

今年もVue.jsの作者であるEvan Youによる公演。前半はVue.jsの歴史に関する話題、後半はViteを中心としたエコシステムの話題が中心でした。
目線はもうVueに限った話ではなく、フロントエンドのエコシステム全体にわたるもので、Vite, Rolldown, Oxcの開発状況などが語られました。
Rolldownは去年のVue Fes Japanで発表されたのを聞いて結構テンションが上がっていましたが、その開発が1年でここまで進んでいることに驚きました。

Piniaの現状と今後

Piniaが知らない間に進化していることに驚きました。まさかデータフェッチングまでできるようにするとは。

Oxc - The JavaScript Oxidation Compiler

個人的に最も気になっていたセッションがこれでした。keynoteにもあったフロントエンドの統一エコシステムの中心になるものがOxcだと思っていたからです。
また、直近でESLintについて調べることが多く、その際に避けては通れないのがoxlintでした。そのため、Oxcについては非常に興味がありました。Oxc自体がRustで書かれていることもあり、Rustの話題も多かったです(そして、Rustの波の中心にいるのはOxcという印象です)。

Vue 3 と Svelte 5 のランタイムを比較する 〜技術を一段深く理解する〜

SvelteとVueの違いを内部実装を簡単にみながら、VDOMやVaporモードを絡めて解説いただく回でした。聞いていてなるほどなという感じですが、フレームワークとしてのSvelteはどこか伸び悩んでいる印象がありますね。。。たぶんAngular, React, Vueがそれぞれ成熟しており、特に日本ではVueの人気が高い印象があるのであえてSvelteを選ぶ理由が強くないのかな、、という印象です。個人開発で少し触ったことはありますが、結局普段使うのがVueやReactであり、Vueと似ているならVueでいいかなという意思決定をしてしまいます。 chibiVueは知らなかった。面白そうですね。

次世代フロントエンドクロストーク

ESLintメンテナー、Biomeコアコントリビューター、Prettierメンテナー、そしてEvan YouとOxcの作者で話すという、聞く前から何が起きるのかワクワクするセッションでした。BiomeはESLintやPrettierからの移行を促進していますし、oxlintも同様なので、このメンバーが集まったら壮絶なバトルが繰り広げられるかとハラハラしましたが笑、期待通り面白かったです。
Evan Youさんが途中で言っていた「開発者が内部実装まで意識しなければならなくなっている」のはとても共感していて、chibiVueも然りですが、技術者としての興味として内部を知ることは良いことだと思いつつ、内部を知らないと意図せぬ動作に対処できないという状況は本来フレームワークが目指したいものではないよな、とは思うので、より良いフロントエンドエコシステムを作っていこうとするのは本当に応援したいです。
一方で「統一」と聞くと「大丈夫か...?」と思ってしまうのも本音です。その難易度ももちろん(Vercelすごい)ですし、opinionatedとpluggableのバランスが今後どうなるのかという話題は誰もが気にしていることであり、今後のフロントエンドの方向性を考える上で重要な話題だと思います。途中で退席してしまったので、最後まで聞けなかったのが心残りです。

Anthony's Road to Open Source - Yak Shaving

Anthonyさんのオープンソース活動を"yak shaving"をキーワードに語っていただくセッションでした。1つ1つのヤクの毛刈り的な活動が今につながっていることがわかり、何か作らなきゃ!というモチベーションが刺激される内容でした。

全体的な感想

日本の方のセッションは、Vue.jsの機能に関するものや内部実装に関する話題が多く、招待セッションはVueというよりむしろVite, Rolldown, Oxcといったビルドツールやコンパイラに関するものが多かった印象です。去年はちょうどVue2のEOL間近だったこともあり、Vue3に関する話題が多かったのですが、今年はVue3が安定してきたためか、よりエコシステム全体に目が向いている印象があります。そういう意味で、参加企業との内容のチグハグさは少し感じました。
個人的にはVue.jsでこんなことできるんだぜ!みたいな発表が増えると嬉しいなという気持ちはあり、その意味でUnJSなどは面白そうだなと思いました。